尻切れ蜻蛉

わたしの夏は赤とんぼ

浴衣のあなたと

連れだつ朝顔

 

今夜の花火は

曇りで見えぬ

履いてゆけゆけ

花尾の木下駄

 

ある日突然いなくなり

とんぼの尻尾を

潰して待った

 

いつもとなりで笑ってた

川原のあなたは向う岸

思い届かぬ最後の蝉の音

いつの間にやら日も暮れた

 

わたしの夏は尻切れとんぼ
履いてゆくゆくわらじもなしか