夜のコンビニ

真っ暗な道を歩くと

風がびゅうびゅう吹いていて

コートの隙間から忍び込む

コンビニの灯りだけ

遠くに見えて

用もないのに歩いて行った

 

道は続いている

車のライトが直線を引く

私は歩いていく

肺が冷え込む

手をポケットに入れてる

ガムの包み紙はくしゃくしゃにして

化石みたいになっている

 

昨日聞いた音楽が

頭の中に流れるようで

昨日会ったあの人と

あの人に言われた微妙な言葉が

私の中で反復している

コンクリートの歩道を

一定の歩幅で

スナックの看板は錆びついて

化石みたいになっている

 

コンビニの灯りだけ

遠くに見えて

意味もないのに

歩いて行った

 

誰かに会えるかと

誰かに会えるかと