樹木

しづかにしづかに強くなろう


何も語らぬ木のように


僕はこんなにも弱い存在なんだと知った


体は細く、心は揺れている


内に流れる繊細な川


血はまだ脈打っている


太い幹を育てよう


年輪を重ねて


どっしりと枝を伸ばして


やがて大きな森になるんだ


嗚呼、現実と向き合うだけの


現実と向き合うだけの力強さよ


乗り越えるんだ


君が海を渡る鳥になるなら


僕は樹齢千年の大木になろう